日本都市計画学会北海道支部長 
西山 徳明

  この度、支部会員の皆様のご推挙により、2017-18年度の日本都市計画学会北海道支部長に選出されました西山徳明です。何卒、よろしくお願い申し上げます。
 
 さて、日本都市計画学会の北海道支部は、今から10年前の2007年に初代支部長の佐藤馨一先生の下で設立されました。その後の支部活動は、2011年に作成された中期活動計画案(2011-16年度)をもとに進められています。第T期(2011-12年度)の小林英嗣支部長のときに、「北海道支部の『かたち・ひと』づくり」をテ−マとして、HPの作成、支部研究発表会、都市・地域セミナ−、支部だよりの発信、という現在の活動の骨格がつくられました。第U期(2013-14年度)は太田清澄支部長の下、「北海度支部の展望づくり」がテ−マで、担い手の育成と周辺学問領域との交流促進を強化するとともに、「都市と田園」という統一テ−マで研究発表会を行うなどの活動を行ってきました。そして、田村亨支部長の第V期(2015-16年度)のテ−マは「北海道支部の自立」で、都市計画やまちづくりの実践を北海道から発信することを目標に掲げ進められてきました。こうした流れの中、第W期(2017-18年度)のテ−マを「北海道支部と地域の連携」を掲げたいと思います。

 日本の諸都市・地域と同様、北海道における都市計画分野をめぐる今後数年間の喫緊の課題は、人口減少社会における「地域創生」に向けた地域による方針の選択と、その実現手段としての「都市立地適正化」であり、この大きなうねりをどう受け止め、自立した都市、地域群のネットワークとしての北海道を、拡大を目標としない「もう一つの発展」に導くかであり、そのための「北海道支部と地域の連携」が必要と考えます。

 人口減少社会においては、全ての地域が少しずつ衰退することは決してなく、何らかの淘汰の結果として選ばれ「生き残る地域」が、その周辺の「衰退する地域」から活力を吸収しながら、むしろ発展していく形が予想できます。その生死を分けるのが、当該都市や町・村の、交流人口や移住人口、企業を惹きつける魅力であるとすれば、今まだ結論の出ていない競争の渦中にある地域が取り組むべき課題は何でしょうか? 産業振興や企業誘致といった王道もありますが、より多くの地域が固有に取り組める、地域の資源や景観、環境をフルに活用した交流人口の拡大、すなわち地域を広義の観光目的地=デスティネーションと再認識し経営=マネジメントすることによる「定住・移住促進」「雇用創出」「生きがいづくり」などとなるでしょう。

 これからの社会において、広義の観光開発・振興をエンジンとするまちづくりを進めようとすれば、地域ごとに存する様々な課題を解決し持続的に運営するためのミッションを明確に設定し、そのミッションを果たす活動=デスティネーション・マネジメント(DM)に取り組む必要があります。近年よく耳にするようになったDMOとは、そのために、「地域が主体となって」設置する組織を指します。各々の事情に応じて、既存の組織がそのままDMOの役割を果たすこともあれば、新規に設置されるケース、既存の複数の組織の連携によるケースなど様々であって当然であり、大切なことは、DMOという組織を作ることではなく、その地域にとってのDMのミッションを明確にし、そのミッションを果たすために最適な組織のあり方を考えることであると考えます。

 改めて人口減少時代のまちづくりの可能性について考えると、これからは「観光地」という特別な地域だけではなく、これまで観光地として自意識のなかった多くの地域もDMに取り組むことが生き残るための必須項目となるでしょう。つまりDMは一般の地域にとっての課題となり、そのことはすなわち、都市計画分野にとっての新たな課題にもなるということに他なりません。

 北海道支部が、「北海道支部と地域の連携」のテーマの下にこうした課題を様々な地域と共有し、幅広い領域から多様な実務家・研究者が参加して議論し合う場となること、また、年代やポジションを越えた議論から実務上のヒントを得られる場、自己研鑽の場として、その機能を高められるよう精一杯の努力をしていきたいと思います。

 自然そして景観、文化、歴史などから導かれる地域の個性があり、美しく暮らしやすいまちづくりを目指して、支部会員の皆様からは、様々なアイディアやご提案、ご意見を頂戴するとともに、支部活動の運営へのご協力を何卒よろしくお願いいたします。

 (平成29年11月13日 公開)


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